契約時は慎重に!個人事業主の業務委託トラブル防止策とは

偽装請負と二重派遣

よくあるトラブル事例

偽装請負と二重派遣


業務委託契約に潜むトラブル

フリーランスが法律の専門家になる必要はありませんが、それでもある程度の法律の知識が無ければ、業務委託契約の内容をよく理解できず、それが不利であったり違法であったりしても気づかない場合があります。クライアントも慈善事業ではありませんから、自分の利益をすこしでも増やそうと頭を使いますし、極端に悪質なクライアントであれば、悪意を持って法律をよく知らない人間を騙そうとする場合もあるでしょう。「自分は信頼できる善良なクライアントとしか付き合わないから大丈夫」という方も油断してはいけません。相手に悪意が無くても、お互いに法律の知識が無ければ、知らずに違法な契約を結んでしまうこともあるのです。
もし違法な契約を結んでしまった場合、あとからそれが無効であると主張して争うこともできるのですが、そもそもその契約の違法性に気づけなければ不可能です。そこで、実際に起こりがちな問題である「偽装請負」と「二重派遣」について学んでおきましょう。

偽装請負とは

一般的には、「偽装請負」というのは正社員を解雇し、業務請負契約で業務をさせることです。本来の請負ならば、作業の手順や出退勤その他はすべて請け負った側の自由で、発注元となる会社は指揮権を持たないのですが、実際には今まで通りに出勤して上司の指示通りに働くだけで、まったく請負という形になっていないため、「偽装」と呼ばれるわけです。
会社からすれば、状況はこれまでと何一つ変わらないのに、相手は正社員ではありませんから、これまでかかっていた社会保険などの負担をゼロにできる、ということがメリットになります。フリーランスの場合も、「相手の指定した場所で何時から何時まで働く」「作業は相手の指示通りに行う」という形で、知らずに偽装請負をさせられていることがあります。契約書にこうした内容が書かれている場合は注意しましょう。

二重派遣とは

派遣というのは、派遣元の会社が社員を派遣先の会社で働かせるのが本来の姿です。しかし、現在はこの派遣先の会社が、さらに別の会社へ派遣を行うということがしばしば行われています。これが二重派遣です。
この場合、派遣される労働者の給料は中間搾取によって減ってしまいますし、もし何かトラブルが起きた場合、派遣元の会社が責任を取るべきか、それとも二重派遣元や最終的な派遣先が責任を取るべきかで、大問題になってしまう可能性があります。フリーランスは派遣労働者ではありませんが、請負契約を結んでいる会社から別の会社への出向を命じられたり、個人の依頼主から無関係の会社で働くことを指示されたりする場合があります。
たとえ契約書にそのようなことが書かれていたとしても、無効にできる場合もありますから、契約書に気になる点がある場合は弁護士など専門家への相談も考えてみましょう。

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