よくあるトラブル事例
契約書とは、本来、後のトラブルやリスクに対応するために締結するものでもあります。取引に関する契約であれば、双方の責任の範囲、契約が適用される業務の内容、その業務に関する対価や支払い方法、支払い期限、そしてどちらかが責任を遂行できなかった場合などのそれぞれの対応方法などが明記されています。
これにより、例えば「仕事を完遂したにも関わらず報酬が払われていない」場合の請求効力が明確になったり、逆に「依頼した仕事を途中で放棄された」という場合に損害の賠償方法などが明らかになります。
フリーランスから見ると、この業務委託契約には「クライアントが好き勝手にアレンジしている可能性」というリスクがはらんでいます。このことは常に念頭においておかなければなりません。別ページでも紹介しましたとおり、業務委託契約はその契約条項の内容によって「請負契約」や「委任契約」又は、委任と請負を組み合わせた内容の契約になっています。
例えば契約社員やパート社員など、従業員として「雇用契約」を結んでいる場合であれば、各種労働関連の法律によってその立場が守られていますが、フリーランスの場合はそのような保護法はありません。つまり、「業務委託契約」の内容が労働法に代わる役目を果たすのです。これをしっかりと見極められるかどうかも、個人事業主の自己責任となります。
その利便性から、ケースごとにアレンジした業務委託契約書を締結しているという企業も多いと思いますが、企業側も注意が必要です。アレンジした結果、意図せず「法律上適切でない内容を含む契約」を作ってしまうケースは少なくありません。業務委託のつもりが実態は雇用契約になっているものもあります。コンプライアンスの観点からも、業務委託契約作成時は専門家のチェックを通しておいた方が無難といえます。
つまり、この不払いのトラブルも、きちんとした契約を交わしていたか否かによって状況が変化することも事実です。業務委託契約書として締結していたとしても、その中身をきちんと確認していなかったがために、不利な条件で締結してしまっているというケースもありえます。
そのようなトラブルが発生したら、自治体などに設置されている「無料法律相談窓口」に相談してみると良いでしょう。弁護士はもちろん、業務委託契約であれば、行政書士や司法書士、社会保険労務士なども詳しい専門家が多いと思います。無料相談窓口の情報は、お住まいの市町村など自治体のホームページでご確認ください。
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