業務委託契約は委任と請負の違いを知ることがポイント！

業務委託契約に存在する委任と請負

フリーランスが取引先と仕事をする時にかわす契約書が「業務委託契約書」です。そもそも業務委託とは取引先が仕事内容やギャラや締め切りなどの事項を告げて、フリーランスが受託した時に発生します。
従業員として働くのではなく、企業と同等の立場で働く関係を結ぶのが業務委託です。昔務めていた会社の上司から仕事を依頼されている場合でも元上司と部下の関係ではなく同等の立場の取引先であるという事です。さてこの業務委託契約には「請負契約」と「委任契約」という2種類の契約がありますので、そちらを紹介していこうと思います。

請負契約とは何か

それでは業務委託契約の中の請負契約とはいったいどういう契約でしょうか。請負契約をした場合は、仕事を受託した側は「完全な物品」「情報成果物」「完璧なサービス」などを提供する必要が出てきます。要は仕事の進め方や、熱意などは関係なく「企業がOKするレベルの商品やサービスが最終的にできたかどうか」が問われるのです。
また原則的に請負契約の場合は仕事にかかる費用や材料費や人件費などがすべて含まれています。なので結果的に取引先を満足させられれば、手を抜いて作業をしても、製作費などを節約して作っても問題はありません。実際に手を抜くというよりは効率的に作業を進めることはフリーランスとして利益を上げるためには必要なことですし、材料費や人件費をいかに抑えるかを考える事も必要な事です。
つまり請負契約の場合はまず取引先を満足させる物やサービスを提供する事を前提にして、いかに時間的にも金銭的にもコストをかけずに完成させるかが利益を増やせるかどうかに直接関わります。最初に設定する報酬の金額を決める際も低く設定しすぎると利益は出ませんので注意が必要です。

委任契約とは何か

業務委託契約の委任契約はどういう内容になるのでしょうか。委任契約の場合は、完璧なものを作る、サービスを提供する事が重視されるのではなく善管注意義務を果たすという行為自体が重要になります。つまり取引先企業が満足するくらい一生懸命頑張って働いていたかどうかが重要視されます。
請負契約の場合は途中で手を抜いていても結果だけ出せばまったく問題がありませんでした。しかし委任契約はまったく逆で、結果として依頼先が納得できないような成果しか出せなかったとしても、誠心誠意仕事に取り組んでいたら責任を果たした事になるのです。報酬はもちろんもらえますし、委任契約の場合はかかった費用も請求することができます。

契約解除の条件の違い

契約解除をする時の条件も大きく違います。委任契約の場合は基本的に委任者も受託者もいつでも契約解除をすることが出来るのに対して、請負契約の場合は受託者は仕事を完成させないと契約を解除することができません。つまり請負契約をしたフリーランスの人は途中で仕事をするのが嫌になっても完成するまでは契約を解除できず、完成させられない場合は違約金も取られるケースがあります。これらのリスクを把握した上でどちらの契約を結ぶのか考えるようにしましょう。